マルチ・バースで(以下自粛)『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』

監督:ジョン・ワッツ(2021 米)
出演:トム・ホランドゼンデイヤベネディクト・カンバーバッチ、ジェイコブ・バタロン、ジョン・ファヴロージェイミー・フォックスウィレム・デフォー、アルフレッド・モリーナ、トーマス・ヘイデン・チャーチリス・エヴァンスベネディクト・ウォントニー・レヴォロリマリサ・トメイアンドリュー・ガーフィールドトビー・マグワイア

 スパイダーマンの正体がピーター・パーカー(トム・ホランド)だという記憶を世界から消すため、ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)はある呪文を唱えるが、それがドック・オク(アルフレッド・モリナ)らヴィランたちを呼び寄せてしまう。ヴィランの攻撃によって、ピーターのみならず恋人のMJ(ゼンデイヤ)らピーターの大切な人たちにも危険が及ぶ。(Yahoo!映画より)


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 字幕なしで鑑賞。ソニーとマーベルの落としどころとなったお祭り映画。マルチバースということで、スパイダーマン好きには堪らない、しかし旧作を見ていない向きには何のことだかわからない恐れもあるかもしれない作品だった。ちなみに私はソニースパイダーマンはほとんど見ていないがPS4のゲームをクリア済みで悪役についての知識はあったので、おおむね理解できた。MCU作品はどんどん複雑になっていくので、途中参加のお客と古参客、対応のバランスが難しいのではないかな。ローリングストーンズがなにかのインタビューで、新曲もやりたいし古いファン向けに「Paint it, Black」もやりたい、そのバランスが難しいというようなことを言っていたのと同じことである。

 などと映画と関係ないことを考えながら見てしまったのは私がそこまでのスパイダーマン好きではないからで、というよりは主人公の若さについていけない、というほどではないがノリ切れなくなっていることの表れなのかもしれない。ただ字幕なしだったので、耳が聞き飛ばしてしまったりするのもノリ切れない理由の一つではある。そもそもトム・ホランドスパイダーマンアベンジャーズにおいても比較的かわいいキャラクターだったのが、今回は可愛気が減り、生意気さが増えたあたりで近しい人の死を乗り越えてだいぶ老けて描かれていて、自分と重ねるというよりは親戚の子供の成長を見るような心持である。こういったキャラクターに甘えず変化を恐れないところはなんかすごくアメリカ感があるというか現実的というか、日本の作品にはないところである。まあドクター・ストレンジが出てる映画で現実的であるか否かはそんなに重要ではないのでどうでもいいことかもしれないが、とにかく次回作はマイナスの状態から元に戻るまでが描かれるのは約束されている(たぶん)ので、アベンジャーズで言うとインフィニティ・ウォーが終わってエンド・ゲーム待ちの状態である。というわけで次回が楽しみ。