とどめの一撃

 第一次大戦前後のバルト海あたりの話。主人公と友人とその姉。主人公目線で語られたところによると、友人の姉は主人公を愛しているが、煮え切らない主人公の気を惹くべく、他の男と関係を持ち、それを主人公に報告してくる。そしてそれでも煮え切らない主人公に愛想をつかし、昔の男を追って敵陣営に鞍替えし、後に主人公たちに捕まり射殺される。
 全て主人公目線なのでどこまで信用できるかは怪しく、また舞台も馴染みのない場所と時代なので全体的に霞がかかったような印象である。そもそも友人の姉が主人公を愛していたというのも怪しい。弟の友人ということで気安くしていただけのようにも思える。むしろそう思わないと姉の頭が悪すぎるし、とどめの一撃を主人公に託す意味がわからない。
 わからないと言えば、なぜこの本を買ったのかもわからない。amazonにおすすめされた覚えもない。正直面白かったかどうかもよくわからない。どことなく印象に残る本ではあったが。 
とどめの一撃 (岩波文庫)

とどめの一撃 (岩波文庫)