現代民話考1 河童・天狗・神かくし

 日本民話界のエース、松谷みよ子によって集められ編集された現代の民話集。それぞれのテーマについて日本各地から集められた話が話者の口調そのままに収められている。
 河童の話は全国から集められており実際に見たという話も多いが、天狗は気持ち東寄り、また実体験よりもこれこれこういうことがあって天狗の仕業だと言われている、というスタイルが多かった。
 河童も天狗も(神隠しも)、何かしら説明のつかないことへの当時の人々による解釈の一つではあるが、広い範囲で同じような反応を引き起こす何かしらは実際に起きていたようで、それが本当に河童や天狗のようなものであったら面白い。またそうでなくても、仮託するのにそういった生き物を生み出していたと考えても面白い。