ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生

監督:デヴィッド・イェーツ(2018 英=米)

ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)は、学者として魔法動物を守るため、不思議な空間が広がるトランクを手に世界中を旅している。ある日、捕まっていた“黒い魔法使い”グリンデルバルド(ジョニー・デップ)が逃亡する。ニュートは、人間界を転覆させようと画策するグリンデルバルドを追い、魔法動物たちと一緒にパリの魔法界へ向かう。Yahoo!映画より)  


映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』本予告【HD】2018年11月23日(金・祝)公開

  前作で新シリーズのお披露目が済み、今作ではグリンデルバルドの話が動き出した。次から次へと新キャラ新事実が出てくるので処理が追いつくのが大変だが、一度整理できればははーんなるほどと知った風な顔をすることができる。グリンデルバルドは「非魔法使いの人間を放っておくとエラい目にあうぞ」「魔法使いだけで自由にやるぞ」という主張で仲間を増やす。ナチスドイツのやり方と似ているのは偶然ではあるまい。いつの時代も悪役とは目的がはっきりとしていなければならない。
 逆に善玉陣営は隠し事ばかりしているので話がややこしい。ダンブルドアはグリンデルバンドとの関係を公けにしていればそもそも魔法省に疑われないし、リタ・レストレンジもややこしいことをしていなければ、少なくとも彼女のしたことが露見していれば、そもそも前作におけるクリーデンスの大暴れもなかったかもしれない。ちなみにこの映画を見た後、長女があまり内容を覚えていないと『謎のプリンス』『死の秘宝』をリクエスト、さらに長男がどうせなら最初からと『賢者の石』『秘密の部屋』から見直し、我が家ではハリーポッター人気が再燃しているが、いずれの作品でも善玉陣営には同じ傾向がみられる。というかダンブルドアが秘密主義なのか。その後を継ぐハリーポッターにも同じ傾向がみられる。こうして人間は同じ過ちを繰り返す。
 なんにしても今回の話で善悪両陣営の顔触れははっきりとしたので、次回作でダンブルドアとグリンデルバルドの対決が描かれることだろう。ハリー・ポッター作品から見て過去の話なので、既に判明しているの勝負を描いて盛り上げるのはなかなか難しいと思われる。意外性をどう盛り込んでくるかが見所である。