驚きの英国史

ノルマン・コンクエストマグナ・カルタアーサー王アイルランド問題、フォークランド紛争といった英国史の出来事がイギリス(主にイングランド)人にとって、どういう意味を持つかということをまとめた本。どのエピソードも読みやすく面白くまとまっているが、事柄によっては詳しい説明がないものもあるので、ある程度の知識がないと楽しく読めないかもしれない。
もっとも興味深かった話はノルマン人が持ち込んだ英語の話で、先日読んだ「アングロサクソンと日本人」とも重なる内容だが、ノルマン・コンクエストによりノルマン人支配層がフランス語を持ち込んだせいでその後の英語に大きく影響したという話。「buy」と「purchase」、「goods」と「merchandise」、「end」と「finish」といった風に、英語にはほとんど同じ意味の単語が二つあるのはこのため。後者がノルマン英語で、確かにフランス語っぽくも読める。実際に英文でもカタい文章にはこういう単語が多く使われるので、英語圏の人もフランスというか大陸に対して、無意識に堅苦しいイメージを持っているのかもしれない。と思うと面白い。 
驚きの英国史 (NHK出版新書)

驚きの英国史 (NHK出版新書)