戦後 歴史の真実

第1章「東京裁判は白人によるいじめ」
第2章「大東亜戦争アメリカのせい」
第3章「原爆マジやばい&ひどい」
第4章「憲法を変えよう」
第5章「ちゃんと教育しろ」
第6章「マスコミふざけんな」
第7章「官僚キライ」
第8章「がんばっていきまっしょい
要約すると上記の内容で、「反米」精神が強いのと少ししつこいのを除けばおおむね間違ったことは言ってない。東京裁判が不当なものだったことは関係各所で認められていること。太平洋戦争(著者は『大東亜戦争』であると主張している)は中国進出に出遅れたアメリカが仕掛けてきた喧嘩であること。原爆の被害はひどいこと。憲法は時代にあわせて変えるべきものであること。教育現場が左寄りになっていること。マスコミ特に朝日新聞マスゴミであること。官僚については正直なところよくわからないが、まあ本当なんでしょうなあ。
全く知らなかった!目からウロコ!という情報はほとんどなかったが、では日本人に周知の事実かといえばそうでもないんでしょうね。知っておく必要のある内容ではある。
個人的に思うことは、日本が中国へ侵略したことそのものについては、時代の流れであり、当時の常識から考えてもそれほど間違っているとは思わない。そこで行った行為がやり過ぎでなかったかと言えば、そんなこと無いとは言えないだろうとも思う。ただその結果として原爆を投下され、東京裁判を経て日本と各国との間で条約が結ばれ、とにかく一応は済んだ話である。原爆がアメリカによる生物実験であったとしても、日本軍が苛烈であったとしても、それら全て含めて、日本も連合国も被占領国も条約を結んで終らせた話である。その終わらせ方に文句があるなら当時の各国政府と国連あたりを責めるべきなのである。研究は別として、それについて何が良いか悪いかと言い争うのは、もとより決められるものでもないし不毛なことである。
そんなことよりも実際に戦争していた人たちはそれぞれ自国の未来のためを思って戦っていたはずである。そういう尊い犠牲を払って得た未来をより良いものにしたいものであるなあ。

戦後 歴史の真実 (扶桑社文庫)

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