大震災で試される日本人の誇り

日本の東北地方を襲った大地震とそれに伴う津波から二週間が経った。被災され亡くなられた方々を悼むと共に、今も避難生活を余儀なくされている方々には心からお見舞い申し上げます。
こちらマーシャルにおいても日本大使館から津波警報が出て、私の家はNHKで見たほどの津波は来ないだろうという判断で家に留まっていたが、一部在留邦人は高いところに避難したりと、それなりに影響があった。私が鈍いのか、当初実感はなかったが、津波の映像を見ているうちにその恐ろしさが徐徐に伝わってきた。NHKで「東北関東大震災」と名称が決まった報せを聞いたときは、なぜかからだがふるえた。
まあそんな私のことはどうでも良くて、それよりも今回の物品買い占めに走ったり停電に文句を言ったりしている一部の人々の反応が残念で、情けない。
昨夜私はマーシャル人が開催したチャリティー・コンサートに参加していた。参加といっても売り上げの一部を寄付する類の参加(フィジー人に連行されてステージ上で踊らされたりもした)で、売り上げもそれに伴う寄付も大した額にはならなかったが、日本よりはるかに貧しいマーシャル人たちが日本の復興を願ってくれているのを目の当たりにして、少し驚いた。私は普段から怠惰なマーシャル人を小ばかにしていたが、見直す気になった。と同時に日本から聞こえてくるニュースの日本人、火事場泥棒をしたり物品買い占めに走ったり停電に文句を言ったりしている日本人のことを考えた。
泥棒は論外としても、マーシャルの生活は大体同じような状態だから、物品がなくなれば不安だし、停電になれば不便だという気持ちはわかる。それでも明らかに自分以上に困っている同胞がたくさんいるときぐらい、もう少し我慢できないものか。これはプライドの問題である。かくいう私もそんなえらそうなこといえる身ではないかもしれないが、日本が世界から注目されている今こそ日本人の矜持を取り戻してもらいたい。