ハマースミスのうじ虫

ウィリアム・モールの長編サスペンス。
ワイン商であるキャソンが、堅物の銀行家のいつにない酔態をクラブで見かけたことから始まる探偵ごっこ。前半は少ない手がかりから犯人を探し出す調査で、後半からは狩り。前半はちょっと都合が良すぎる展開であったように思うが、後半に入ってからは狩る側の主人公と狩られる犯人の腹の探り合いが面白かった。
55年ぶりに新訳されたということだが、特別になにか目立ったものがあるというわけではない。佳作。

ハマースミスのうじ虫 (創元推理文庫)

ハマースミスのうじ虫 (創元推理文庫)