冥途

冥途―内田百けん集成〈3〉 ちくま文庫

冥途―内田百けん集成〈3〉 ちくま文庫

夢がテーマ、というか百輭先生が見た夢の話。
特によかったのは「冥途」。私も亡き祖父の夢を見て泣きながら起きたことが何度かあるので主人公の気持ちはよくわかる。気がする。
他に「花火」「件」「豹」は特にリアルな訳のわからなさがあって怖かった。不思議という言葉だけでは済まされない奇妙にリアルな感じ。夢なのに。あとがきに「ハッキリしないが夢の法則のようなものに忠実らしく思われる」よいうようなことが書いてあったがまさしく同感。芥川龍之介による評が載っているのもよかった。