監督:鈴木清順 (1980 日本)
出演:原田芳雄、藤田敏八、大谷直子、大楠道代他内容:何回聞いても、何を言ってるかわからない
原作である内田百輭の「サラサーテの盤」はぼんやりとしていてぼんやりなりの奇妙な怖さがあったが、それを映像として目の前に突きつけられると当たり前だがもっと具体的に怖かった。原作ではサラサーテの盤そのものがメインの話だったように思うが、この作品では男女関係、それも至る場面で三角関係が作られており、ドロドロ感が増していた。
虚構と現実が交錯しているので映像もそんな感じで、この作品の評価されるところはそのあたりにあるようだが、私は原作の映像化として見てしまっているのでその辺は無難な感じとしかいえない。しかし青地が中砂邸を訪ねていったあたりは本当に怖かった。あと最後の中砂の娘のくだりは原作にはなかったように思う。あれも怖かった(褒め言葉)。