日本史上有名な割にその実体についてよくわからないことが多い聖徳太子。よくわかっていないが故に人々によってさまざまな説を唱えられている人でもある。例えば厩戸皇子と呼ばれていたということになっているが、同じく馬小屋で生まれたとされるキリストとの類似性は何なのか、といったことに理由を求めるような人たちが主張した様々な説について、どのような背景をもとに成立し構築されていったのかをブラジル人著者が明らかにする。
キリスト教が日本に伝来した時期といえば諸説あっても大体16世紀頃ということになると思うが、キリスト教の存在というか情報がいつから日本に知られていたか、もしくはキリスト教を知ってるもしくは信じていた人たちがいつから日本に来ていたか、となると伝来よりだいぶ遡りそうなのが面白い。もちろん可能性の話ではっきりしたことはわからないが。