現実のアメリカによるピーナッツへの影響『スヌーピーがいたアメリカ: 『ピーナッツ』で読みとく現代史』ブレイク・スコット・ボール

 実家にはなぜか昔から「しょぼくれチャーリーブラウン」というペーパーバック版があったので、スヌーピーの漫画には小さいころから親しんでいた。ついで兄が同じペーパーバック版を、おそらく中野サンプラザの古本市等で買い集めたらしく20~30冊は今でも実家に置いてあり、私はいわばピーナッツ・エリートであるのでこのちょっと高い本も購入して読んだ。
 曰くピーナッツの作者であるシュルツが漫画の裏に隠したその思想や社会問題への解釈ということで、楽しかった。読んでいたらまたコミックを読みたくなったので本棚を探したら、くだんの「しょぼくれチャーリーブラウン」が出てきたのでこれまた懐かしく読んだ。1970年の出版とあるので50年以上前の本ということになる。久しぶりに読んでみると、チャーリーブラウンたちのお行儀の良さにキリスト教的な哲学に基づいた著者シュルツの思想を感じられなくもない。スヌーピーの魅力というと『配られたカードで勝負するしかないのさ』という名言だけが頭に残っていたが、その他にも天才ライナス、ベートーベン狂いのシュレーダー、暴君ルーシー、そしてどこまでも優しいチャーリーブラウンなどの名キャラクターたちがいたことを思い出せたのは良かった。実家に帰ったらまた全部読み返そうと思う。