好きな白黒映画10選の後編。果たして10本選べるのか。
年代が下がってくると、カラーも選べる中での白黒映画ということになり、当然ながらそこには白黒である意味が加わってくる。それが何であるかということを考えながら見ても面白いが、そんなことを考えなくても大体面白い。
1964年作品。スタンリー・キューブリック監督作品では『現金に体を張れ』と迷ったが『博士の異常な愛情』を選んだ。ブラックコメディのお手本のような作品。エンディングも秀逸。
1974年作品。フランケンシュタインのパロディ映画。雰囲気を出すため、オマージュとしての白黒映画である。下がかったネタが多いが、オマージュとコメディをうまくまとまった作品。
1977年作品。きれいなものの対極にあるものとしての白黒。デビッド・リンチは自身のyoutubeチャンネル*1でも白黒の短編を公開したりしてるので、白黒映像が好きなんだろうと思う。
ブロードウェイのダニー・ローズ
1984年作品。ウディ・アレンは白黒映画が好きな監督である。他にも『マンハッタン』、『セレブリティ』、『影と霧』などが白黒作品。もっとも作品数が多いので、割合にすると多くはないが。ウディ・アレンらしい映画ということで『マンハッタン』と迷ったが、より日が当たらない方を選んだ。これを機会に『ブロードウェイのダニー・ローズ』の人気が出ると嬉しい。
1986年作品。ジム・ジャームッシュも『ストレンカー・ザン・パラダイス』『デッドマン』など、白黒ばっかり撮影してるイメージのある監督である。白黒の中で躍動するロベルト・ベニーニがたまらないという点では『コーヒー&シガレッツ』も捨てがたい。
ラヴィ・ド・ボエーム
1992年作品。アキ・カウリスマキもまた白黒の質感を好む監督のように思えるが、思いつくのは『カラマリ・ユニオン』ぐらい。朴訥としたイメージが白黒っぽく思えてしまうものか。『ラヴィ・ド・ボエーム』が白黒なのは現実感を減らすための手段だったと勝手に思い込んでいる。
というわけで、10本選べました。良かったですね。選ぶのが難しい理由の一つに、最近の白黒映画を白黒として覚えていなかったりするというのもある。例えば、コーエン兄弟の『バーバー』はどうだったか?答えはモノクロとカラー両方あったりする。記憶は曖昧になっていくばかりである。
あ、今更もう一本思い出した。『死刑台のエレベーター』もおすすめしたかった。最近だと『マンク』も白黒だった。でも今後は減っていくんでしょうね。白黒フォーエバー。
*1:David Lynch Theater。デビッド・リンチによる天気予報は現在も継続中。