ラヴィ・ド・ボエーム

監督:アキ・カウリスマキ(1992 芬=瑞=仏=伊)
出演:マッティ・ペロンパー他
内容:たまたま知り合った文無し男たち三人組の友情
「キートス!カウリスマキ」というカウリスマキのブルーレイボックスセットが発売されたので以前DVDボックス「トータル・カウリスマキ」を買うのをためらって後悔していた私は一も二もなく買った。その一枚。
たまたま知り合った物書きと画家と作曲家の三人は見事なまでに鳴かず飛ばず。当然実入りも無く、その貧しい生活をハッタリと連携プレーと酒と煙草ですごしている。このかっこいい男たちの生活は、かっこよすぎてもはやファンタジーである。だが女が絡むとそうはいかない。男たちはこれまたたまたま知り合った女のためにいろいろと尽くすが、やはり女は貧しい生活に耐えられず去っていく。女が去るときも取り乱したりはせずかっこいい。そして女がまた戻ってきても暖かく迎えてやり、その女の命が長くないと聞けば全力で助ける。残る二人もそれを助けるために、大切なものを売ってお金を作る。このあたりの彼らは涙が出るほどかっこいいのである。
このような男たちはもはや映画の中にしかいないかもしれないが、彼らにあこがれない男がいるであろうか(いやいない)。そういう、大人の男のファンタジー