年末の風物詩、滞在許可証更新の顛末

 

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年末といえば滞在許可証の更新。この国に長くいるといつの間にかビザの期限は年末で切れるようになる。他の人は知らない。少なくとも私のビザはそうなっている。と思っていたのだが、11月中旬に確認してみたらどういうわけか既に期限が切れていた。つまり期せずして不法滞在の身となっていたわけで、最悪の場合は国外追放、少なくとも何らかのペナルティー(超過日数 x 金額で罰金、とか)を課されてしまうので、急いで更新の作業を始めた。

 滞在許可証の更新にはまず労働許可をとらなければいけない。そのためには申請書やパスポートのコピー、自分の写真、会社との労働契約書の他に、警察で無犯罪証明、病院で健康診断書、財務省で納税証明、年金事務所で支払証明、それから日本で戸籍謄本を集めなければならない。このどれもが無駄に時間がかかる。警察は証明書にえらい人のサインが必要なのでサインだけ待ち、これが4~5日かかった。病院は半日待たされて健康診断を受け、血液を採取して検査等で約1週間待ち。以前は検体をなくされたこともあったのでまだマシか。年金事務所へは簡単な作業だからと従業員を送ったところ、なぜか窓口の人に話が全く伝わらず、役所のえらい人を呼び出して私が自分で説明させられてようやく入手できた。自分の写真も証明写真サービスという便利なものはないので、自分で撮って自分で印刷したものを添付するのが手間である。

 どうにか書類を揃えるのに10日ほどかかり、ようやく労働局へ書類を提出したのが11月下旬。後から「なんで遅れたの?」と問い合わせを受けたので全てをコロナのせいにして切り抜ける。また1週間待たされて、労働許可証を入手。ちなみに以前はカードが発行されていたが、カードを作る機会が壊れたらしく、何年か前からはWordで簡単に作れるただの紙一枚となっている。

 労働許可証が手に入れば次は滞在許可証。こちらは労働許可証の他に、労働許可証を入手するために用意した書類全てをまた提出する。労働許可が出た=書類に不備無しなんだから、そこは省略してほしいところであるが、省略はできない。しかしコピーをとってあれば問題はなし。ちなみに労働局はへはコピー、滞在許可証を発行する入国管理局へはオリジナルを提出するのが常である。入管の方がうるさいのでそうしているのだが、たまに労働局もオリジナルを出せと言ってくる。そういう時は「オリジナルは入管に出すから」というと黙る。さらにここまで手間をかけて用意した書類も何度か無くされたことがあるので、提出したものは全てコピーして保存が必須。最近はスキャンしてでPCに保存できるので便利である。

 結局入管に書類を提出したのは12月上旬。期限切から1か月弱の遅れ。とりあえず受け取ってもらえたので一安心。1週間後、入管から電話がかかってきた。なんで遅れたの?とのことだったので、またコロナのせいにした。さらに1週間がたち、今日。また入管から電話がかかってきた。曰く、「遅れたことのお詫びと、今後は期限を守りますというレターを書いて提出してください」。レターの提出があれば罰金その他ペナルティーなしとのこと。反省文!なんとも寛大な処置。さすが南の島、国外追放の四文字がちらりとでも頭に浮かんだ自分がバカみたい。このひと月ほど私を悩ませていた滞在許可証の問題は意外な形で結末を迎えることになりそうである。