現代民話考<10> 狼・山犬・猫

 松谷美代子によって集められた明治以降の民話集その10。今回のテーマは狼・山犬、猫。

 最近の日本で狼と言ってもウルフ千代の富士貢くらいしか思いつかないが、明治頃まではあちこちにいたらしい。東京でも稲城や府中、檜原村、私のお膝元である中野区などの話が載っている。

 面白かったのは、村人が、狼のアゴに刺さった骨を抜いたら送り迎えをしてくれるようになった上に、山中の狼を呼んで村人に挨拶をさせたという『千匹狼』。それだけで映画になりそうな話である。 

現代民話考 10 狼・山犬・猫

現代民話考 10 狼・山犬・猫