サラ・ウォーターズの長編小説。
没落中の英国貴族の屋敷に起こる不可解な出来事の顛末。『半身』『荊の城』と続き、サラ・ウォーターズには「前半退屈だけどすごいどんでん返しを用意している作家」というレッテルをつけていたので、なんとなく聞いたことのあるタイトルのこの作品を読む気になったのだが、やはり前半は退屈。しかし読んでいる途中から、この広げきった風呂敷はどうなるのか?という意味で先が気になって仕方が無かった。
ここからはネタバレになるのだが、結局のところこれらの伏線は回収されない。回収されないので読み終わったときには驚いたのだが、よく見てみれば原題は”Little Stranger”とある。物語に登場するLittle Strangerといえば、幼くして亡くなったエアーズ家の長女の亡霊らしきモノを除くとメイドのベティしかおらず、前者であればただのゴシックホラーに過ぎないように思えるので、後者?もし彼女が全ての原因であるということなら全ての伏線を回収できないものでもない。どころか十分に驚愕の真相ではある。この解釈はどうなんだろう。どなたか読んで真相を教えてください。
- 作者: サラ・ウォーターズ,中村有希
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2010/09/18
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