ノー・カントリー

監督・脚本・編集：ジョエル＆イーサン・コーエン（2007 米）
出演：トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、ウディ・ハレルソン他
内容：200万ドルを奪いあう男たち

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　1980年、アメリカ南部の荒野で麻薬取引の代金200万ドルをたまたま見つけたワイルドな男。それを追う不気味な男。この二人の追いつ追われつだけでも「ブラッドシンプル/スリラー」を思わせるハードボイルドな展開だが、話が進むに連れて不気味な男が何のために追うのかわからなくなってくる。それは二人を追うもう一人の主人公、年老いた保安官にもわからず、結局ワイルドな男を助けられなかった保安官は辞職。力が足りないと嘆いている風だったが、無力というより時代に取り残されたといった感じ。ベトナムも保安官が銃を持たずにいられたのも過去の話なのである。
　過ぎ去った時代というのはいつも哀しみを伴うもので例によって例の如くといってしまえばそれまでだが、簡単に割り切れる人というのはなかなかおらず、そこにあるドラマはわりと誰の心も捉えるものなんではないだろうか。というわけで邦題だとよく分からないが原題は「No country for old men」。どっとはらい。

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