クリストファー・ウォーケンの目玉の迫力『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』

監督:スティーヴン・スピルバーグ(2002 米)
出演:レオナルド・ディカプリオトム・ハンクスクリストファー・ウォーケン

高校生のフランク・W・アバグネイルは尊敬する父が母と離婚すると聞き、ショックで衝動的に家を飛び出してしまう。そして、生活のため偽造小切手の詐欺を始めるようになる。最初はなかなかうまくいかなかったが、大手航空会社のパイロットに成りすますと誰もがもののみごとに騙された。これに味をしめたフランクは小切手の偽造を繰り返し巨額の資金を手に入れるのだった。一方、巨額小切手偽造詐欺事件を捜査していたFBI捜査官カール・ハンラティは、徐々に犯人に迫っていくのだったが…。(Yahoo!映画より)


Catch me if you can【予告編】

 実在の天才詐欺師の話を元にした映画。1960~70年代のあちこちのアメリカを舞台にしているのでそれぞれの特長が描かれていて楽しい。主人公はパイロットになったり小児科医になったりと事実は小説よりも奇なりを地で行く努力と度胸がすごい。「ヤンキースが強いのは相手がピンストライプに注目しているから」という父の言葉を胸に生きた半生で、野心に燃えつつも一流になれない不器用な父、それを見限る変わり身の早い母という歪な家庭の事情がもたらした影響は大きかったようだ。

 不器用な父は希代の名優クリストファー・ウォーケン、今作で演じた父の役はわりと普通な人である。ただこれまでの役が超能力者だったり空を飛んだり肛門に時計を入れたりといろいろ大変なものが多いので、それと比べての「普通」であって、あふれる野心と息子への不器用な愛情は目玉と一緒に飛び出してきそうなほどであった。さすがである。そういえば超能力者のときも説得力は彼の目玉から来ていたような気がする。目玉重要。これに対して母は変わり身が早かったという印象しかないのだが、まあどうしても男性目線で見てしまうからなのかもしれず。そもそもスピルバーグの映画は大人の女性の印象が薄い。男ばっかり。私がインディ・ジョーンズとかアクション映画ばかり見ているからかな。