おっさんの蠅

明日から始まる催事の搬入作業@新宿。近いから楽とはいえ、それなりの大変さはある。
そんなことよりも明日からしばらくは久しぶりの電車通勤でちょっとうれしい。新宿でいろんな人を見られるのもうれしい。と書くといかにも人づきあいのない生活をしているようだが、実際一人で事務所にいるのでその通りと言えなくもない。もっとも新宿に出ても通りすぎる人全てに話しかけるわけでもない。
それでも人を見るだけでも結構楽しい。同じ催事の業者に旦那が外国人の人がいて、その人は息子と日本語と英語をちゃんぽんにして喧嘩していた。またホームではサラリーマンが壁に貼ってある注意書きか何かを見つめながらヒゲを剃っていた。きっと「ホームではヒゲを剃らないで下さい」という注意書きがないかどうかを目を皿のようにして探しているのだろう。
今日の白眉はなんといっても帰りの電車内で私の前に立っていたおっさん。見た目はごくごくフツーだったが、背中に虫が一匹とまっていた。羽は緑がかった透明で目は赤く、全体に白っぽかったが手をこすりあわせていたのでおそらくは蠅の若者だろう。驚くべき点はおっさんが高円寺駅で降りるまで、その蠅は飛んでは着地、飛んでは着地をおっさんの背中の上で繰り返し、結局おっさんから離れないままに高円寺駅でおっさんや私と一緒に下車した。階段を降りる途中でおっさんを見失うまで、蠅はおっさんから離れなかったようなので、きっとあの蠅はおっさんのペットに違いない。