ラテンのノリが楽しい群像コメディ『グラン・ノーチェ!最高の大晦日』

監督・脚本:アレックス・デ・ラ・イグレシア(2015 西)
出演:ラファエル、ペボン・ニエト、カロリーナ・バング他

 


My Big Night Trailer 1 (2016) - Spanish Movie HD

 

スタジオに閉じ込められたクセ者たちの大晦日の狂乱をブラックに描いた人生狂騒曲!
10月のある日、失業中のホセは大晦日の番組収録のエキストラの仕事を紹介され、正装してスタジオへ。そこは不眠不休で楽しむことを強いられた人間たちがひしめき合う大宴会場だった。一方、舞台裏では大物歌手アルフォンソがトラブルに巻き込まれ…。久々の映画出演となるスペインの国民的歌手ラファエルの演技にも注目。

 たまにはネットフリックスで映画を探してみよう!との動機から見つけた映画。張り付けるあらすじはいつもネットで探しているのだが、ネットフリックスであるからか情報が少なく、wikipediaにもページがまだなかった。結局、上映館のサイトに辿りついた。新宿武蔵野館である。確かにかかってそうな映画である。

 映画の舞台は大晦日番組を収録するテレビスタジオだが、彼らが番組収録のために不眠不休で缶ヅメにされていることがわかったのは結構話が進んでからだった。説明が少ないのはわざとかもしれないが、見通しがきかない感じはあんまり好きでない。情報を整理しつつ見るのがあまり得意ではないのかもしれない。

 全貌がつかめないながらもなんとなく見ていて驚くのはその下半身の緩さというか、性欲の強さ、その影響の大きさである。若手人気歌手は楽屋に連れ込んだギャルとの関係が問題を引き起こす。エキストラたちは強制されたハグとキスで盛り出す。スタジオの暗がりでおっぱじめている人もちらほら見受けられる。もちろん誇張して描いているということもあるだろうけども、これが理解の範疇ということであれば、禁欲的な日本人としてはやはりラテンてすげーと思わざるを得ない。もっとも主人公のさえないおっさんも迫りくる若さに引き気味だったので、いかにラテンとはいえおそらく常軌を逸した様として描かれていたのだろう。どこもテレビ局というのは人の頭をおかしくしてしまうものなのだ。

 躁鬱気味の作詞家?がリハーサルで国民的歌手の代わりに歌い切る姿はまぶしかった。スポットライトに当たらない人がかりそめの表舞台に立つことになり、図らずも想いを遂げた形であるが、作詞家が表舞台に立ちたがるだろうかという疑問が残る。面白かったから良いけど。他にもいろいろとエピソードはあるのだけども、まとまりに欠けたので特におすすめはしない。