音楽の力

低迷する音楽業界:世論の意見は「CDが高価すぎる」

AP通信と『ローリング・ストーン』誌が共同で行なった世論調査によると、回答者の80%は、著作権者の許可なしに無料で音楽をダウンロードすることは窃盗にあたると考えており、92%は一度も違法ダウンロードに手を染めたことがないという。

 その一方で、CDは高すぎると答えた音楽ファンは4分の3にのぼり、また、音楽全体の質が低下しつつあると答えた人は58%に達した。

(中略)

音楽売上の追跡調査サービス『ニールセン・サウンドスキャン』によると、2005年の米国におけるCDアルバム販売枚数は6億1890万枚と、2001年の7億6280万枚から大幅に減少している。

 一方で、2005年のデジタル音楽の販売数は3億5270万曲にのぼったが、この統計分類は5年前には存在すらしなかった。音楽や着メロのデジタル販売は新たな収入源として期待できるが、多くの場合、より旨味のあるCDの売上を犠牲にしなければならない。

(中略)

ここ5年間で音楽の売上が減少している理由については、音楽ファンの間で意見が分かれている。違法ダウンロードのせいだとする人が33%、他の娯楽との競合によるものとする人が29%、音楽の質が低下しているせいだとする人が21%、CDの値段が高すぎるからだとする人が13%だった。

ここ10年で音楽の価値というか消費の仕方が大きく変化したことに異論の余地は無いが、その理由をとかくインターネットになすりつけたがる音楽業界に向けて、一矢報いる考察。つまりはダウンロード(違法は論外)という新しい手段を手に入れた人たちが、従来のレコード会社にとってより旨味のあるCDという商品から離れ始めたに過ぎない。だから音楽業界は性悪説の押し付けを止めて音楽の新しい形態を受け入れ、まともな音楽ファンに「疑ってごめんね」と謝りながら全てのCCCDを叩き割るべき。

またこれとそっくりなのが映画業界で、映画の興行収入が減少している理由も「違法ダウンロードのせい」「他の娯楽との競合」「質が低下しているせい」「値段が高すぎる」と正に音楽と同じ。ちなみに映画業界はシネマコンプレックスや入場料の値下げキャンペーン等で、徐徐にではあるがある程度の成果を出してるので、音楽業界にも無理な話ではないはず。

ちなみに音楽というかロックが力を失っている話についてはid:offsidedrugさんの記事最近のロック考察(反対意見多いだろうが)が一一良かった。勿論素敵なアルバムを出してくれるバンドは存在するしこれからも存在し続けるだろうが、どんどん少なくなっているようには思う。このあたりうまく言えない。