非感染国の日常。

 現在マーシャル諸島は、世界でも数少ないCOVID-19の非感染国としてがんばっている。非常事態宣言により全ての入国は禁止され、週に数便あった国際線は月1便になった。貨物の飛行機は飛んでいるのかどうかよくわからないが、航空便の荷物は減便により到着が遅れている。船便は検疫で少し遅れるものの本数は変わらず運航している。商店の品揃えは十分とは言えないが、品薄はコロナ前からのことなので仕方ない。ガソリンや軽油などの燃料が不足しないのはありがたい。むしろオイル安でいつもより安い。

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本文とは関係ありません。

 国外の影響を受けつつもマスクのいらないコロナ前の世界が続いているわけだが、国外にいる国民を国に帰そうという動きがある。ちなみにFSMにいた数人は帰国済、キリバス、グアム、フィジー、フィリピン、台湾などにも少数が待機しているので今月か来月には帰国することになりそう。ただアメリカ(ハワイ含む)には待機中の人が数百人いるらしく、これについては政府も頭を悩ませている様子。コロナが流行り出してから保健省は急いで検疫隔離の施設*1を作ったり必要となる設備を購入(もしくは日米台に緊急支援を依頼)したりしているが、隔離施設は数十人分、重症者の治療に必要な設備は10人分くらいしかないらしく、十分な数が揃っているとは言えない。

 政府は精一杯のことをしているとはいえ、そのような状況で数百人の受け入れ、もしくは入国制限の解除をしてよいものだろうか?とはさすがにのんびりした現地人も思いが至るようで、制限解除に反対している人も多いらしい。飛行機が飛んでくるなら一族郎党を引き連れて滑走路に押しかけ、着陸できないようにしてやる!と息巻いている酋長もいるらしい。たぶん本気である。

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重機も海水浴。

 ちなみに米軍基地のあるクワジェリンでは最低限の人員交代はあるようで、アメリカから来た人には隔離施設で21日間待機が義務付けられている。なぜか到着後に検疫隔離を知った人もいるようで、中には検疫隔離を嫌ってそのまま帰国した人もいるらしい。アメリカに戻ってもまた隔離されるだろうに。

 先週は「既にコロナ陽性がマジュロ(もしくはクワジェリン)で出た」という噂がSNSなどで広まったようで、政府が「そんなことはありません」という声明をわざわざ出していた。人々の不安も高まっているようだ。

 今後は遅かれ早かれコロナは上陸するだろうから、個人でもその後のことを考えて対策を練っておかなければならないのは厄介である。厄介ではあるが、いつも世界的な出来事も他人事だったので、不謹慎かもしれないがちょっと楽しんでいる。とはいえ上陸されたら一気に広まって大変なことになるだろうから、非感染が続いてくれるに越したことはない。

*1:マジュロに作られた隔離施設は6人一部屋の相部屋でWiFi完備。食事は全てフライドチキンらしい。

とどめの一撃

 第一次大戦前後のバルト海あたりの話。主人公と友人とその姉。主人公目線で語られたところによると、友人の姉は主人公を愛しているが、煮え切らない主人公の気を惹くべく、他の男と関係を持ち、それを主人公に報告してくる。そしてそれでも煮え切らない主人公に愛想をつかし、昔の男を追って敵陣営に鞍替えし、後に主人公たちに捕まり射殺される。
 全て主人公目線なのでどこまで信用できるかは怪しく、また舞台も馴染みのない場所と時代なので全体的に霞がかかったような印象である。そもそも友人の姉が主人公を愛していたというのも怪しい。弟の友人ということで気安くしていただけのようにも思える。むしろそう思わないと姉の頭が悪すぎるし、とどめの一撃を主人公に託す意味がわからない。
 わからないと言えば、なぜこの本を買ったのかもわからない。amazonにおすすめされた覚えもない。正直面白かったかどうかもよくわからない。どことなく印象に残る本ではあったが。 
とどめの一撃 (岩波文庫)

とどめの一撃 (岩波文庫)

 

 

約70時間ぶりに外出。

 日曜日は本の部屋と物置の片付け、あとシュノーケルを少々。月曜日と今日は寝室の片付け。長年の経験から取っておいても捨てることになるものはなんとなくわかるのですぐに捨てておけば良さそうなものだが、それはなかなか難しい。
 会社の方は、車が一台オーバーヒートしたくらいで、他は問題ない様子。まあたった二日でそれ以上の問題を起こされたらたまったものではない。
 食事に呼ばれていたので夕方から家族で出かける。休暇といえどもなんだかんだとやることは尽きない。

急きょ休むことにしました。

 今年の夏は日本に帰ることができない。できないが有給休暇はたくさんあるので、来週1週間を夏休みとすることにした。今年に入ってから3月に半日、5月に1日しか休んでいないので、少しくらい休んでも罰は当たるまい。ただし休みにしても行く場所はないので家にいることになる。いまさらのステイホーム。流行遅れである。
 また家にいたところで、体を休ませる以外にやることはない。釣りくらいはするだろうけども。ちょうど腰が痛くなってきたので休むのは良いのだが、犬のよだれのようにだらだらと過ごすことだけは避けたい。だらだらしてばかりではいかん。

 休みの間に何をするかについては、家族にも「私の休みに何をしたいか?」と聞いてみたところ、「わかんない」「なんかつくって」「家族サービス希望」と、非常に建設的なご意見をいただいたので、迷惑にならない程度に好きなことをしようと思う。

プロフェッショナルは素人には及ばないところまで考えていてほしいという願望。

 今年の夏は日本に帰ることができない。もちろん巷で流行っているCOVID-19、新型コロナウイルスの影響である。今現在日本が入国可能なのかどうか知らないが、マーシャルの入国禁止が解除されない限り再入国ができないので出国するわけにはいかない。もっともその入国禁止措置のおかげで、世界でも数少ないコロナフリーを維持できているので、日常生活に変化はなし、物流も若干遅れながらも回っているので不便はなし。ここだけコロナ前の旧世界が続いていると考えることもできる。100年に一度の歴史的大イベントに参加していると思えば腹も立たない。
 もっともコロナが無くてもそこは南の島、生活する上で不便はある。例えば頻発する停電。月に2回くらいは計画停電がある。朝9時から夕方5時まで。晴れの日の午後などはかなり熱くなるので勘弁してほしいところだが、メンテナンスを怠って電気が使えなくなるよりはと、あきらめるしかない。きっと電力会社のプロフェッショナルが様々な工夫した上でなお、どうしてもメンテナンス上、電気を切らざるを得ないのだろう。そう思えばこそ、というところなのであるが、さっき聞いた話では停電が始まって1~2時間くらいたった頃にメンテナンスに向かう電力会社のトラックを見かけたらしい。遅いだろ。せめて電気を止めてる時くらいはしっかり働いてほしい。