笑わないピーター・セラーズは怖い『ロリータ』

監督:スタンリー・キューブリック(1962 英=米)
出演:ジェームズ・メイソン、スー・リオンピーター・セラーズ

 中年男ハンバートは、未亡人シャーロットと”ロリータ”と呼ばれる早熟な娘ドロレスと知り合う。母親に想いを打ち明けられたハンバートだが彼の欲望は娘ロリータに注がれ、彼女の側にいたい一心から、未亡人と偽りの結婚生活をスタートさせる。(映画.comより)


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 ナボコフの有名な小説をキューブリックが映画化した作品。思っていたより露骨な描写は少ない、というよりほとんど無し。ヘイズ・コードの影響かな?と思ったらヘイズ・コードの廃止は1968年、そしてこの映画は1962年!と意外と古いので間違ってはいない様子。私の好みとして控え目なのが好きなので、その点は良かった。そして思っていたより女の子はまともで(まともではないが)、おっさんの異常性が際立っていた。若い娘に振り回されるという意味では正しく振り回されていたと言えるかもしれない。

 ただし異常なのはおっさんだけでなくロリータ本人やその母等、主要登場人物は大体歪んだ愛情の持ち主ばかりであり、ロリコンだけが目立つけども他の人たちも大概であった。唯一まともそうなのはロリータが結婚した男だが、彼はそのかわりに聴力に問題があったので、とかくこの世で完璧を求めることは難しい、という話なのかもしれない。オススメ。

 

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