変な子供の変な話『ルイスと不思議の時計』

監督:イーライ・ロス(2018 米)
出演:ジャック・ブラックケイト・ブランシェットカイル・マクラクラン

 両親を亡くし、叔父のジョナサン(ジャック・ブラック)の世話になることになった少年ルイス(オーウェン・ヴァカーロ)は、ジョナサンが魔法使い、隣家に暮らす美女ツィマーマン(ケイト・ブランシェット)が魔女だと知る。ある日、ジョナサンの屋敷に世界を破滅させる力を持った時計が隠されていることがわかる。(Yahoo!映画より)


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 子供と見るのに何か良い映画はないかと思い選んだ作品。しかし開始から5分、両親を亡くした主人公に同情してうちの子は涙を流していた。さらにちょっと不気味な場面では目をつぶる、化け物に襲われる場面では耳を抑える、終わったときにはホッとした顔をしていた。まあ楽しく見れたとは言えなかった様子。

 映画自体は児童文学の映画化だが、怖くしてくれとスピルバーグから注文があったらしい。そのせいかどうか、怖いのか怖くないのか、中途半端になっていた気がしないでもない。現代において魔法の物語はどうしたってハリポタと比べられるので、どう差別化を図るのかというのは一つのポイントである。その点では怖くすることの他に「魔法の家」というのもあったように思う。英語のタイトルを見ると「HOUSE」「CLOCK」「WALLS」とキーワードを並べているのだが、邦題を「不思議の時計」としたと同時に魔法の家の要素が削られてしまった気がしないでもない。
 また内容も少し端折ったように感じられた。メインの魔法使いの話とか、もっと説明があっても良かったように思える。夢に出てくる母親のエピソードは良かったし、隣の魔女のエピソードももっと見たいよなあ。少年のゴーグルについてももう少し説明がないと、ただの変な子で終わってしまう。出演者が良いだけに勿体なかったという感触。