ワンチャイシリーズの記念すべき第一作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地黎明』

監督:ツイ・ハーク(1991 香)
出演:ジェット・リー、ユン・ピョウ、ロザムンド・クワン、ジャッキー・チュン

 英米列強が幅を利かせ、動乱の時代を迎えていた中国大陸。祖国の将来を憂いている黄飛鴻をよそに、武道家たちは自分の名を上げようと挑んでくる。そんな中、治外法権をカサに着る英軍は中国人を奴隷として海外へ連れ去ろうとしていたが、洋行帰りの叔母がその騒ぎに巻き込まれるに至って黄飛鴻の怒りは頂点に達した。だが、英軍の陰謀を叩こうとする彼の前に、最強最大の武道家イェンが立ちはだかった!(Yahoo!映画より)


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 「中国のファンタジーは武術と共にある」という言葉を地で行くワンチャイシリーズの第一作目。本シリーズの主人公フォン・フェイフォンは、黄門様の印籠のように絶対的な存在なので基本的に安心しながら見ることができる。その点で最後の最後までハラハラさせるジャッキー・チェンとは対照的であり、ジャッキー映画に慣れた観客にはカタルシスが足りないかもしれない。しかしテーマソングと共に満を持して登場する絶対的強者フォン・フェイフォンが悪者を倒す勧善懲悪の様式美も、なかなかどうしてクセになる面白さである。

 ちなみにワンチャイシリーズは1作目天地黎明、2作目天地大乱、3作目天地争覇ときた後に監督と主演が違う4作目と5作目(ツイ・ハークだけ監督に復帰)があり、6作目天地風雲でまたジェット・リーが復活(監督はサモ・ハン・キンポー)するのでややこしい。他にも『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』を冠しながらも弟子が主人公だったり仕切り直しだったりと20本近くあってスパイダーマンシリーズよりも複雑なので、詳しくはwikipediaでもご覧ください。