少林寺

監督:リェー・イェット・ユエン
出演:リー・リンチェイ(1982年 香港)
内容:数千年の歴史を持つ少林寺を悪の手から守るために修行僧が戦う
 いまやハリウッドアクションスターとなった“中国武術会の至宝”ジェット・リーのデビュー作。悪い奴に父親を殺されながらも泣く泣く逃亡し、少林寺の人に助けられ、少林寺に魅せられ、入門して修行し、小林幸子似のヒロインと知り合ってこれを助けるために悪い奴らと戦って痛み分け、さらにまた少林寺に攻め込まれて戦って勝利、という山盛りのストーリーを90分ほどに詰め込んであってすごい。凄いテンポだ。しかもそれは実は回想だったりするので更に凄い。恐るべし香港。
 勿論アクションは文句なく素晴らしい。脇役である他の修行僧達が使う蟷螂拳酔拳などはかなり本物で、見ているだけで楽しい。しかしその修行僧同士のアツ過ぎる友情は笑えることは笑えるがちょっと気持ち悪い。そして気持ち悪いと言えばポツリポツリと残酷なシーンも垣間見ることができるが、明らかに製作者側は気持ち悪いと思っていないことがわかる軽い扱いなので気にはならない。と思う。
 悪の首領の鎧が妙にピカピカしていて、しかもどう見ても布でしかないことはご愛嬌として、その他(特にアクション)は20年以上前の作品とは思えない。エンターテイメントとしても実に簡潔しているように思う。しかしスターウォーズの5年後の作品と考えるとやはりいろんな意味で「凄いぜ香港」、これに尽きる。
 極私的な感想として、“先生”が友人のF君にそっくりで笑えた。