ベイビーの日本語訳について考えた話

 ベイビー、と歌っている歌が好きでよく聴いている。ベイベーでもバイビーでも可。さらに言うならば連発されると能天気さも加わってなお良い。今も昔もよく歌われる単語である。 

 


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  ベイビー、と歌っている歌を聴いているうちにベイビーの意味について考えた。babyの第一義は赤ちゃん、赤ん坊だが、歌われるベイビーはこれとはちょっと違う。「赤ん坊」という意味合いよりも、そこから転じた「小さくかわいいものとしての異性」への呼びかけという意味合いが強いように思える。だから男性が歌うと男らしいロックンロールな感じ、女性が歌うとはすっぱな感じを受けるのか。まあこれは私個人の感受性の問題だけれども。よくよく考えると男尊女卑スピリッツあふれる言葉なので、そのうち淘汰されて消えてしまう文化なのかもしれない。

 

 


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 では日本語で言うならば何が適当か。ベイビーはベイビーなのでそれ以上でもそれ以下でもないのだが、あえて訳すならば。「小さくかわいいものとしての異性」である二人称への呼びかけ、というところでいろいろ考えてみたが、「お前」もしくは「あんた」がふさわしいかもしれない。ジェンダーフリーが叫ばれる現代日本で、「小さくかわいいものとしての異性」にしっくりくる言葉を見つけるのは難しいというのが正直なところで、若干古臭さを感じさせるのはやむをえない。むしろ日本ではそのように使われなくなりつつある「お前/あんた」が、欧米諸国では現役の言葉として同じ用法で喜んで使われていると考えると、彼らがその手の問題について騒いでいるようでその実は大したことのない口だけ番長であることがよくわかってしまう。

 


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 とはいえ別にアメリカをくさすつもりでこれを書いているつもりはないのでそんなことはどうでも良くて、ベイビーを訳すなら「お前/あんた」くらいがちょうど良いかもしれないという話でした。