セレモニーは13日の金曜日

先週の10日。日本の援助でこっちの地方政府が購入した中古漁船が届いたので、地方政府側の担当者であるケッチョさん(国会議員)に連絡した。するとすぐにでも大統領を呼んで引渡しのセレモニーをやりたい、と言う。通関はなんとかなるとしても、各種セットアップ(搬送に伴い舵もプロペラも外されていた)を済ませなければならないし、日本大使館の都合も聞かないといけないし、無理!と即座に断ったのだが、大統領の日程に合わせてくれ!という。とりあえず聞いてみるだけ聞いてみます・・・と大使館に連絡し、セットアップの予定を考え、セレモニーは開催される方向で話が進められ、話をしてみたら各方面なんとかなりそうだったので、では13日の金曜日に開催しましょう、ということになった。
が、通関で引っかかった。セレモニーを明日に控えた12日のことである。過去にも日本からの援助で商品を輸入した経験はあって、毎回大使館から税関宛に手紙を書いてもらい、輸入税はかからなかったのだけれども、なぜか今回に限って税関は輸入税を払えと言うのである。払えと言う方は簡単だが払う方はモノがモノだけに軽く100万円以上かかることになる。どうしたって払えるものではないのでケッチョさんに連絡。ケッチョさん曰く「ノープロブレム、心配するな」。しばらくするとケッチョさんから電話があり、もう通関は済んだから引き取っていいとのこと。さすが有力者。
そして通関をクリアしてほっとしていた私の元に、ケッチョさんから私宛に招待状が届いた。こういうことは手回しが早い。しかし。まあ名前の綴りが間違っているのは良いとしても、私の名前の横に"Remark"とある。挨拶しろと。えー。しかしセレモニーを明日に控え、断るわけにもいかないので挨拶を考えた。ハロー、エブリワン。続きはウェブで。ではなくて、続きはネットで探せば何とかなるだろうと思っていたのだが、いかにインターネットの世界が広いと言っても大統領臨席のスピーチの仕方なんて載っていない。結局当たり障りのないことをまとめて挨拶とすることにした。
そして13日当日、夕方4時からということだったので4時半頃ケッチョさんに電話してみると、「もう始まっている、予定通り6時だ」とのこと。意味がわからないがとにかくもう始まっているらしいので現地へ向かう。会場にはテントが立ち並び、その下には紹介客がだらっと座ってバンド演奏を聞いている。お偉いさんもちらほら見えるが大統領はまだ来てなかった。そして日本大使館からはミクロの大使がいらっしゃっていた。そこでケッチョさんを捕まえ、「日本大使がいるから挨拶してもらえば?私の挨拶削っていいから」と耳打ち。すると「もうお願いしてある」とのこと。私のあずかり知らぬところで挨拶はしなくてよくなっていたのだった。結局6時に大統領が来るまで待たされた後はスムーズに式が進行し、とはいえ挨拶が終る度にバンド演奏が始まり、招待客のオバちゃんたちや料理を用意しているオバちゃんたちが大統領とかと踊りまくったりはしていたが、7時前にはセレモニー終了。その頃にはご飯目当てで集まった一般の人たちがすごい人数になっていた。
いろいろと疲れた。