まぼろしの城

戦国時代、上州沼田家で起きたお家騒動を舞台にした栄枯盛衰。当時の関東地方というのは多くの小勢力が北条家や上杉家とくっついたり離れたりを繰り返していたわけで、その中には鶏口牛後の例えを地で行く勢力もあった。おそらくは登場人物の一人・平八郎も(地元では摩利支天の再来といわれた人らしい)、生まれた時代が異なればもう少し歴史に名を残すことが出来た人物なのかもしれないが、結局は戦国末期の大きな波に呑まれてしまったという哀しい話。