文系将棋部研究会

隊員さんたちと将棋を始めて早半年が経ち、その頃の面面はほとんど日本に帰ってしまったが、戻ってきた人、まだいる人、その後に始めた人などで以前ほどではないがまだ細細と続いている。以前行ったトーナメント予選の結果では私はB組1位、見事鶏口牛後を我が身で実現していた。自分がA組の連中に勝つところを想像すらできないというのも悔しいので、その後A組の連中に勝つべくB組2位のタイチくんと二人で何度か研究を重ねた。考えてみればA組は皆理系、B組は皆文系だったので、とりあえず「文系将棋部研究会」ということにした。
研究といっても下手が二人でぐだぐだと将棋を指すだけのことで、偶には白熱した名勝負になることもあったが基本的にはだらだらと喋りながら指していた。タイチくんと私は全くの五分の実力だったのでだらだらぶりにも拍車がかかった。感想戦などやろうものなら話題はあっちへ飛びこっちへ飛び、何をしているのかわからない有様になることも珍しくなかった。将棋の話もするにはしたが、主に逸話や雑学ばかりで上達に役立ちそうな内容は一つもなかった。
考えてみればこの辺りが文系将棋部たる所以かもしれない。将棋上達という目標に向かうことを大手とすれば、私たち二人は明らかに搦め手から攻めている。後ろ向きである。そもそも文系理系と分けて考えてる時点で文系の発想である。そもそも文理の別というのは理系に費用がかかるので役所が分けただけで、脳味噌の中身は大して変わらないはずで、とか考えている時点でもう文系はいけない。
結局将棋は上達していない。