監督/脚本:パトリス・ルコント(1989 仏)
出演:ミシェル・ブラン、サンドリーヌ・ボネール他
人付き合いを避け隣人たちから煙たがられている仕立て屋イール(ミシェル・ブラン)のただ一つの楽しみは、向かいのアパートに暮らす美女アリス(サンドリーヌ・ボネール)の私生活をひそかに観察すること。ある日近所で殺人事件が起こり、刑事は孤独な変人イールの犯行ではないかと疑う。一方、自分をのぞき見るイールの存在に気付いたアリスは、彼が真相について知っていることを確かめようと接近するが……。(Yahoo!映画より)
周囲から嫌われているユダヤ人男性(性犯罪歴有り)と、美しいフランス人女性という組み合わせで、美女と野獣的なイメージだが、その実二人は似通っていて、どちらも愛するものを守ることにかけては譲らないところがあるのであった。そのことに気がついたからこそ女性からひどい仕打ちを受けても許せたのであり、そういう性質だからこそ男は愛情の対象であった女性を許せたのであろう。
つまり自らの妄想に殉じたわけで、そこも含めてもてない男のファンタジーである。誰もが一度は通る、テロリストによって占拠された教室で好きな女の子のために戦う妄想と、根本的には変わらない。オススメ。