戦術はグレース・ケリー!『泥棒成金』

監督:アルフレッド・ヒッチコック(1955 米)
出演:ケイリー・グラントグレース・ケリー

南仏リビエラを舞台に、汚名を着せられた元宝石泥棒が、自分の手口を真似た神出鬼没の宝石泥棒を捕らえるため奮闘する姿を軽快なタッチで描いたラブサスペンス。屋根を飛び回る姿から「猫(キャット)」と呼ばれた宝石泥棒のジョン・ロビーは、今は足を洗い、仮釈放の身で自由気ままに暮らしていた。しかし、ある時、リゾート地の高級ホテルから次々に宝石が盗まれる事件が発生する。その手口がかつてのロビーのそれと同じことから、警察はすぐさまロビーを捕らえようとするが、身に覚えのないロビーは警察の手を逃れ、独自に調査を開始する。自分の偽物が狙いそうな高価な宝石をもった金持ちの旅行客に近づき、犯人を捕らえようと考えたロビーは、保険会社のヒューソンの協力を得て、アメリカ人女性のジェシーとその娘で若く美しいフランセスの2人に近づく。しかし、ロビーとヒューソンが目を光らせていたにもかかわらず、母娘の宝石が盗まれてしまい……。(映画.comより)


1955 To Catch A Thief Official Trailer 1 Paramount Pictures

  『裏窓』のケーリー・グラントグレース・ケリーのコンビが再び共演した一作。であるわりに、背景とグレース・ケリーの美しさ以外には特筆すべきものは少ない。主人公は誤認逮捕の危険にさらされ続けて緊張感があるべきなのに、ケーリー・グラントなら捕まらないだろうという変な安心感がある。ケーリー・グラントの肌が清水健太郎ばりに黒すぎるのも、緊張感に欠ける。気がついたらグレース・ケリーが恋に落ちているのも都合が良すぎる。

 それでも見終わって満足感があるのはグレース・ケリーの顔面偏差値の高さがあるからである。この人が画面に出ていれば大抵のこと、例えば邦題がひどいことも許せてしまう。原題は「to catch a thief」、thiefが主人公二人それぞれにとっての意味があるのだから邦題にもそれを効かせると良かった。どうすればいいかは知らない。それでもグレース・ケリーが出てるから、きれいだから許せてしまう。戦術はロナウド!みたいな。すごい映画である。 

泥棒成金 [Blu-ray]

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  • 発売日: 2012/08/10
  • メディア: Blu-ray