シリーズ最終作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』

監督/脚本:J・J・エイブラムス(2019 米)
出演:デイジー・リドリーアダム・ドライバージョン・ボイエガオスカー・アイザックキャリー・フィッシャーマーク・ハミル

 スカイウォーカー家のカイロ・レン(アダム・ドライヴァー)は祖父のダース・ベイダーを崇拝し、その遺志を継承するため銀河を掌中に収める。一方伝説のジェダイルーク・スカイウォーカーの強い思いを受け継いだレイ(デイジー・リドリー)はフォースを覚醒させる。光と闇のフォースをめぐって、二人の運命は最終決戦に委ねられる。(Yahoo!映画より)

 


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 旧スター・ウォーズとその他凡百のSF映画を画するものはいろいろあるだろうけども、物語のわかりやすさもその一つであったと思う。ナンバリングでいえば456、これは日本の時代劇から学んだということがよく言われる(ジェダイ=時代とか)が、若者が亡国の姫を助けて帝国と戦うというのは物語の一つの典型であるし、父を超えるオイディプス的な物語もまた一つの典型である。123は456につながる話であるからゴールは設定してあるわけで、そこまでの輪郭が決まった道のりをどう描くかが問題であり、完結しない物語をどう盛り上げて区切るかという難しさはあったにしても、ある程度観客を満足させることには成功していたと思う。

 ところが789作目で我々が見たものは何だったろうか。7は新キャラであるレイ、フィン、ポーそしてカイロ・レンの顔見せ、そしてハンソロが活躍して死んだ。8は正直あまり覚えていないんだけど話を広げていたような。あとルークが活躍して死んだ。9では全て回収したかったんだろうけどもなんかよくわからないうちに二人のジェダイは仲直りして皇帝を倒した。レイアは活躍せずに死んだ。

 最初からジェダイの二人が仲直りしていれば7と8いらないよね。というのは無しとしても、旧作キャラへのリスペクトを振りまいているうちにストーリーを咀嚼する時間も新キャラに愛着を湧かせる時間もなくなってしまった、というのが正直なところである。シリーズを追いかけている者として旧キャラが出て来てうれしいのは間違いないのだけども、新シリーズなんだからまずは新キャラを大事にするべきではなかったか。これだけ世界に待ち望まれていた大作なので、どう作っても100点を取るのは難しいとしても、せめて主人公の一人であるレイが何者であったのかもう少し説明しても良かった のではないかと思ってしまう。789を通しで見直したらまた少し違うのかな。