タイムアウト

デイビッド・イーリイの短編集。
核爆発によって全土が消し飛んでしまった英国を、一般市民に気づかれることなく復活させるプロジェクトに巻き込まれる教授を描いた表題作「タイムアウト」、自分が神だと信じる男の「G.O'Dの栄光」、好奇心旺盛な「隣人たち」など、奇想天外な作品から日常にありうるちょっと奇妙な話など、題材は幅広くとりながらも一貫した不気味さが全作品に共通していてグッド。いわゆる「奇妙な味」の小説は読んでいる最中にもやっとした気分になるのであまり心地よくはない(結末ですっきりさせてくれる作品も中にはある)のだが、気がつけばそのもやっとした気分を味わうのが楽しくなるから困る。