ふーふー

マーシャルの治療で思い出した話。
ある離島で語学研修を受けていた某隊員さんが、何かのはずみに足を怪我をした。しかるべき手当てを受けたあと、現地のお医者さんだか手当てを担当した老人だかが、OOに住んでいるXXのところへ行け、という。理由を聞いてみると、なんだかよくわからないが更に怪我に良い治療をしてくれるとのこと。
よくわからないけれども、とりあえず痛む足を引きずって言われた通りの場所へ行ってみると少年が一人いて、足を出せという。言われたとおりに足を出すと少年はおもむろに、ふー、ふー、と息を吹きかけはじめた。何が始まるのかとしばらく固唾を呑んで見守っていると、しばらくして少年は、終った、と言った。今日はこれで終りだと言う。
何一つ理解できないまま家に戻り、家の人に話をすると、それは良かった、彼は名人だから早く治るだろう、と言う。ふーふーすることの名人らしい。その後、件の隊員さんは何度か少年のもとに通ったものの、痛む足を引きずってまで行く価値は無いと判断したのか、行かなくなったそうだ。足はしばらくして普通に治った。