リオノーラの肖像

ロバート・ゴダードの長編ミステリ。
老いた母が打ち明ける出生の秘密を娘に語り始めるところから始まる一つの物語。その秘密は物語を読んでいるうちに見当がついてしまうのでそれほど驚きはしない。ただそれだけで済まさないのがロバート・ゴダードの良いところで、最終的な結末がちゃんと用意してある。それも読み慣れてくると穿った読み方をしてしまい、予想できないわけではないのだけども、二つのどんでん返しを足して考えれば作品の一つの結末として満足のいくものであると思う。

リオノーラの肖像 (文春文庫)

リオノーラの肖像 (文春文庫)