隠し砦の三悪人

1958監督:黒澤明(1958 日)
出演:三船敏郎千秋実藤原釜足上原美佐志村喬

USアマゾンでブルーレイが安かったのを購入して、すごく久しぶりに『隠し砦の三悪人』を見た。子供たちには「スターウォーズの元ネタだ!」とか言いながら見せたが、途中から私一人で見ていたのは仕方がない。

戦国時代を舞台に、敗国の侍大将が姫と軍用金を擁して敵国突破をする姿を描いた娯楽活劇。第32回キネマ旬報ベスト・テン第2位。

全く頼りにならない農民2人と頼もしい侍たちの対比で、すごくドラマチックになっている。見どころは上原美佐の獣のような目(と声)と三船敏郎の太もも、あとは農民二人の情けなさ。その農民たちも侍たちに振り回されながらも強かで吉。あと砦から姫を見送る家臣(志村喬!)たちのシーンは悲しくないというかむしろちょっと笑ってしまった。

ところで昔から黒澤映画は日本で買うとすごく高い。VHSの頃は1万円切ることはほとんどなかったと思う。amazonとブルーレイの時代になってだいぶ安くはなったけども、まだ他のソフトに比べると少し高いようだ。なので、アメリカ版ブルーレイを購入した方が安い。ちなみに『椿三十郎』と『用心棒』のセットは30ドル!日本の半額くらいで買えるのでお勧め。 

 

ザ・プレイヤー

監督:ロバート・アルトマン(1992 米)
出演:ティム・ロビンスグレタ・スカッキ、ウーピー・ゴールドバーグ
 権力者“プレイヤー”を目指す若手プロデューサーを主人公に、ハリウッドの内幕をシニカルに描いた作品。グリフィン・ミルは、大手映画スタジオのエグゼクティブ。高級4WDを乗り回し、多忙な日々を送っている典型的な業界人である。やり手のプロデューサーである彼のオフィスには、朝から売り込みのライターや監督たちでひきもきらない。そんなある日、いつものようにオフィスに出勤した彼は、ある一通のハガキを目にする。そこには彼を殺すといった内容が書かれていた……。

 映画に出てくる日本というと、『悪魔の毒毒モンスター東京へ行く』とか『大福星』とか、わりととんでもないものばかりが思い浮かぶが、日本を舞台にしていない作品ではそうでもないような気がする。例えば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では55年と85年で日本への評価が全く違うことを利用してうまく時代のギャップを表していたし、『ザ・プレイヤー』でも映画スタジオを視察に来た日本企業重役とかオリエンタルな雰囲気のカラオケバーとか、90年代らしい感じになっていた。現在は経済的にはだいぶ退行してしまったと思うけども今後はどうなるんだろう。

 というわけで『ザ・プレイヤー』、珍しく群像劇ではないアルトマン作品。90年代の権化みたいな主人公の映画プロデューサーがどん詰まりで足掻く話。サスペンス要素が強い。劇中劇の改変も含めて映画界への皮肉を込めた作品となっている。

 初めて見た時は皮肉な映画だと思ったが、今見ると、皮肉な映画だという感想は変わらないものの、今の時代はアルトマンから見てどうなんだろうという興味が沸いた。というのは、私自身が今の時代の映画がどうと言えるほどの知識はないが、どちらかといえば反体制というか、少なくとも大映画会社の言うことを素直には聞いていなかったであろうアルトマンのような人にとっては、いろんなメディアを選ぶことのできる現代というのは少しは良くなったと言えるんじゃないかなという。でもどうなんだろ、大会社はさらに大会社になって、ガチガチなところはさらにガチガチで、コンプライアンスとかも厳しくなってるんだろうし、やりづらそうな気もする。『M★A★S★H』みたいなのは作りづらそう。そういえば『M★A★S★H』にも怪しい日本が出てきたっけ。
 またアルトマン映画というといろんな人がいろんなところに出てくるのも楽しみの一つで、『ザ・プレイヤー』ではわかりやすいのではアンジェリカ・ヒューストンジョン・キューザックマルコム・マクダウェルスーザン・サランドンジュリア・ロバーツブルース・ウィリス等、わかりづらいところではピーター・フォークエリオット・グールドジャック・レモンニック・ノルティリリー・トムリン等カメオ出演している。あとカメオじゃないけどリチャード・E・グラントも出ていた。いろんな映画でいつも変人という、スティーブ・ブシェミの先輩みたいな人だが、じゃあ実際何に出てるのを見たかというとwikipediaで出演作を見てもよくわからない。不思議な俳優である。
ザ・プレイヤー [DVD]

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amazonから4枚目

 先日知った吾妻光良&Swingging Boppersのニューアルバムを購入。ちょうど日本から取り寄せる車の部品があったので一緒にDHLで送ってもらった。

Scheduled by the Budget(特典なし)

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「 大人はワイン二本まで」「でっすよねー」などで満足。ただ吾妻さんの声が少し枯れているような気がしないでもない。

ライブ音源もちょっと入っていて、2018年12月渋谷クワトロと書いてあったので、すわ!と思ったのだが私が最後に吾妻さんを見たのは2018年9月次郎吉で、吾妻さん一人がdrinkin hoppiesのライブに混ざったときのものであった残念。渋谷クワトロで見たのはなんか他のバンドと一緒にやってた時で、もう何年前になるのか不明だが、確かその日の動画がYoutubeに上がっていて驚いた覚えがある。

 

CHAOSMOSIS

CHAOSMOSIS

 

こっちはamazon.comで買ったのがたまたま同じくらいに届いた。amazonの到着予定は7月と書いてあったので驚いた。 

 

『甘い生活』

監督・脚本:フェデリコ・フェリーニ(1960 伊)
出演:マルチェロ・マストロヤンニアニタ・エクバーグ、アヌーク・エーメ他

 作家志望の夢破れて、今はしがないゴシップ記者のマルチェロは、豪華なナイトクラブで富豪の娘と出会い安ホテルで一夜を明かす。ハリウッドのグラマー女優を取材すれば、野外で狂騒し、トレビの泉で戯れる。乱痴気と頽廃に支配された街ローマ。同棲中のエンマは彼の言動を嘆く。二人で訪れた友人スタイナー一家の知的で落ち着いた暮らしぶりを羨むマルチェロだが、彼らも子連れの無理心中で突如死に、残るは絶望の実感のみ……。F・フェリーニカンヌ映画祭グランプリ受賞作。


www.youtube.com

 目につく度に見てみたいなあと思いながらもなかなか見ない映画というのは誰にもあるもので、私にとってはフェリーニの映画がそれにあたる。ウディ・アレンも褒めたたえているのに、見たことがあるのは「道」くらい。こういうのは月日がたつほど見づらいというか機会を作りづらい。有名なクラシック映画にハズレは少ない(だから有名)という経験則をわかっていてもなかなか手が出ないものである。それでもいつかは見なくてはという無駄な使命感から、amazonですすめられるがままにブルーレイを購入しておいたので、ようやく見た。

 まず、説明が少ない。事前情報が入りまくった上で見る昨今の映画とは違う。しかも、フェリーニ映画の雰囲気と言うのか、もしくはイタリアのお国事情と言うのか、そういうものも掴めていないままの鑑賞なのでなんとなく判断はつくものの自信がないので落ち着かない。

 まあそれでも主人公がなんとなく堕落していくのはわかるし、ラストの少女の呼びかけ(聞こえない)も腑に落ちる。人間は額に汗して働くべきなのです。マルチェロ・マストロヤンニはいつも堕落している気がする。彼に任せておけば大丈夫という、安心の堕落っぷり。

 ただし3時間は長い。主人公を堕落させるのに3時間もかける必要があるのか。昔の映画はゆっくりだから仕方がないようにも思えるし、カンヌ取ったくらいだからその必要はあるんだろうけど、私としてはブルーレイ買わなくても良かったかな。

 

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