ザ・プレイヤー

監督:ロバート・アルトマン(1992 米)
出演:ティム・ロビンスグレタ・スカッキ、ウーピー・ゴールドバーグ
 権力者“プレイヤー”を目指す若手プロデューサーを主人公に、ハリウッドの内幕をシニカルに描いた作品。グリフィン・ミルは、大手映画スタジオのエグゼクティブ。高級4WDを乗り回し、多忙な日々を送っている典型的な業界人である。やり手のプロデューサーである彼のオフィスには、朝から売り込みのライターや監督たちでひきもきらない。そんなある日、いつものようにオフィスに出勤した彼は、ある一通のハガキを目にする。そこには彼を殺すといった内容が書かれていた……。

 映画に出てくる日本というと、『悪魔の毒毒モンスター東京へ行く』とか『大福星』とか、わりととんでもないものばかりが思い浮かぶが、日本を舞台にしていない作品ではそうでもないような気がする。例えば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では55年と85年で日本への評価が全く違うことを利用してうまく時代のギャップを表していたし、『ザ・プレイヤー』でも映画スタジオを視察に来た日本企業重役とかオリエンタルな雰囲気のカラオケバーとか、90年代らしい感じになっていた。現在は経済的にはだいぶ退行してしまったと思うけども今後はどうなるんだろう。

 というわけで『ザ・プレイヤー』、珍しく群像劇ではないアルトマン作品。90年代の権化みたいな主人公の映画プロデューサーがどん詰まりで足掻く話。サスペンス要素が強い。劇中劇の改変も含めて映画界への皮肉を込めた作品となっている。

 初めて見た時は皮肉な映画だと思ったが、今見ると、皮肉な映画だという感想は変わらないものの、今の時代はアルトマンから見てどうなんだろうという興味が沸いた。というのは、私自身が今の時代の映画がどうと言えるほどの知識はないが、どちらかといえば反体制というか、少なくとも大映画会社の言うことを素直には聞いていなかったであろうアルトマンのような人にとっては、いろんなメディアを選ぶことのできる現代というのは少しは良くなったと言えるんじゃないかなという。でもどうなんだろ、大会社はさらに大会社になって、ガチガチなところはさらにガチガチで、コンプライアンスとかも厳しくなってるんだろうし、やりづらそうな気もする。『M★A★S★H』みたいなのは作りづらそう。そういえば『M★A★S★H』にも怪しい日本が出てきたっけ。
 またアルトマン映画というといろんな人がいろんなところに出てくるのも楽しみの一つで、『ザ・プレイヤー』ではわかりやすいのではアンジェリカ・ヒューストンジョン・キューザックマルコム・マクダウェルスーザン・サランドンジュリア・ロバーツブルース・ウィリス等、わかりづらいところではピーター・フォークエリオット・グールドジャック・レモンニック・ノルティリリー・トムリン等カメオ出演している。あとカメオじゃないけどリチャード・E・グラントも出ていた。いろんな映画でいつも変人という、スティーブ・ブシェミの先輩みたいな人だが、じゃあ実際何に出てるのを見たかというとwikipediaで出演作を見てもよくわからない。不思議な俳優である。
ザ・プレイヤー [DVD]

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