みんな煙草が大好きだー!『もうすぐ絶滅するという煙草について』

 昨年末から体調を崩して煙草の量は半分以下に減っていたのだけども、3月くらいから今度は完全に止めてみた。意外と吸いたくはならないが、28年にも渡り続けていた習慣なので違和感は大きい。最近ようやく落ち着いてきたような気はする。体調は目に見えてよくなったわけではないが悪くはなってないと思う。体重は増えた。

 そのような状態で『もうすぐ絶滅するという煙草について』を読む。煙草についてのエッセー集。基本的に屁理屈や言い訳、もしくはその両方が並んでいて、しかも喫煙者なら一度は考えるようなことばかりで、同病相哀れむの感がある。吸わなくても良いものをわざわざ嗜む人たちである。いかにも面倒くさい彼らの姿勢が様々な形で表れていてほほえましい。夢の中で一服して、禁煙していることを思い出して焦る、というのは私も最近経験したばかりである。

 白眉は実質のトリを飾る内田百閒の文章である。借金で鍛えられた屁理屈と言い訳の芸術。百閒先生は未成年の喫煙を禁じる禁煙法ができるより前からという筋金の入った愛煙家である。幼い頃の榮造少年がくわえたばこしている写真をどこかで見たことがあるような気がするがどこで見たかは忘れた。最近また百閒熱が来ているので、読み返してみようかな。