ドウェイン・ジョンソンを正しく消化する『レッド・ノーティス』

監督・脚本:ローソン・マーシャル・サーバー(2021 米)
世界の最重要指名手配犯を逮捕するためにインターポール(国際刑事警察機構)から発令される特別な国際手配書、レッド・ノーティス。これに該当する犯罪者を追跡するFBIのトップ捜査官(ドウェイン・ジョンソン)は、大掛かりな美術品強奪を企てる泥棒(ガル・ガドット)と詐欺師(ライアン・レイノルズ)と出会う。そしてある理由から彼らは手を組んで美術品を狙おうとする。(Yahoo!映画より)
 面白い映画の条件というのは人によって異なるが、私の場合は見ている人に余計なことを考えさせないというのが条件の一つとして挙げられる。画面を見ながらその場面がどういう役割か考えてしまうようではいけない。何が起こってるかはわかるけどもその理由は少し謎、というくらいがちょうど良く、謎の部分を考えながら見ていられれば時間がたつのを忘れて見ることができる。
 その伝でいくとすべてが明るくはっきりした映画は面白くないということになるけれども、そうとも限らないのが人間の適当なところで、たまには洗濯物でもたたみながら何も考えずに見て面白い映画が良いという時もある。ロック様ことドウェイン・ジョンソン出演の映画はおそらくそういう需要を満たすのにぴったりで、小難しいことは何もなく、全てが明るくはっきりとしている。『レッド・ノーティス』は結末にこそ若干のひねりは加えてあるけれども、基本的には手放しで驚いたり笑ったりして消費するのが正しい作品だと思う。