権力者はだから面白い。外務省在籍時代に間近で接した、歴代総理やロシア首脳の意外な素顔、さらには誰もが知る歴史上の人物の精神にひそむ生々しい野心と欲望に、インテリジェンスの視点から切り込んだ異色の人物論集。国際政治の最前線で、外交の武器となる人間観察力を磨いた著者ならではの、ディープな知見と圧倒的な筆力で驚くべき、でも愛すべき権力者の真実の姿を炙り出す。
鈴木宗男を皮切りに、橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗など日本の歴代首相たち、またロシアのエリツィンやプーチンなどのロシア首脳のエピソードが次々と出てきて興味深い。日頃目にする政治ニュース、その裏にも当然ながら人がいて、その人々の動きが政治という結果になるという当たり前のことを再認識した。