女番長野良猫ロック

監督:長谷部安春(1970 日)
出演:梶芽以子、和田アキ子
内容:若者たちの争い


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 なかなか衝撃的なタイトルだが内容もなかなかインパクトのある作品なのであらすじ紹介。
 オープニングは土曜日の朝の新宿西口、今で言うセンタービル前辺りで信号待ちしているアコ(和田アキ子)がまたがるバイクに後ろから喧嘩を売ってきたのは変なバギーに乗った黒シャツ隊のボス・勝也(藤竜也)とバイクに乗った黒シャツ隊。売られた喧嘩は勝ってやる!と叫ぶアコを尻目に黒シャツ隊(特に勝也)はワハハハハハ!と笑いながら去っていく。むしゃくしゃしながら走るアコを背景にオープニング。ちなみに散散走り回ったわりに次の場面は新宿東口で、さらにガソリンを入れ終わったアコの後ろにいきなり飛び乗ってきたメイ(梶芽以子。たぶんこの時点では初対面)が、「急いでるの。西口まで乗せてって!」。渋渋ながら西口まで乗せていくと、メイは浄水場周りの空き地に消えていった。新宿西口が空き地というのは今となっては使えないロケーションでステキである。
 さて全編この調子でいくのはさすがに面倒臭いのでざっくりと説明すると、メイは空き地で別グループの女たちと決闘し、途中敵の仲間である黒シャツ隊が加勢に入り、メイ側は追い詰められるがアコが助けに入って事なきを得る。一方、アジト(ライブハウス?)ではメイの彼氏の道男が青勇会という黒シャツ隊の上部組織?に入るため、幼なじみのボクサー・ケリーを抱きこんで八百長を引き受けようとする。しかしその八百長はアコたちが試合中にダウンしたケリーに対し「見損なったよ!」とか叫んで発奮させてしまい逆に相手をKO。そして道男は青勇会に連れ去られ、落とし前をつけられるがなぐりこんできたメイとアコによって救出される。しかし青勇会は新宿一帯に非常線を張り、メイ一派の一人を捕まえて拷問にかけ隠れ家を突き止める。
 そして翌朝(日曜日!)、青勇会の幹部が黒シャツ隊を連れ、メイたちの隠れ家に猟銃を持って乗り込んで乱闘。そして道男、射殺!アコとメイはバイクにまたがり逃走するが勝也はバギーでこれを追い、新宿西口地下道や歩道橋でカーチェイス。通行人は誰一人驚かないし、警察もいない!逃げるバイクはともかく追う車はそこまで行かなくても・・・という場面が目立つがそんなことは気にせず追い続け、結局地下駐車場でバギーは壁に衝突。勝也は一人ワハハハハハ!と高笑い。
 その後青勇会では道男騒動を起こした幹部がクビを宣告され、それを聞いてワハハハハハ!と高笑いする勝也を射殺!最初から最後までよく笑う悪役でした。さらにその場に道男の仇をとるべくメイとアコがなぐりこんできたが、メイも射殺!でも幹部を刺して相打ち!まあ梶芽以子だし、死ぬよね。そして生き残ったアコは翌朝、新宿を後にするのでした。あー長かった。
 とにかく以上のようになかなか衝撃的な内容で、大変楽しかった。さらに映画とは関係なくなるけれども音楽とかもステキで文化的にイイ時代なのかもしれないと思ったりした。この映画に出てくるような下手にサイケデリックな感じ(上手いサイケというのもきいた覚えはないが)とかムード歌謡的な雰囲気というのは、当時は確実に存在してむしろナウい方だったんだろうけれども現代にはほとんど存在しないわけで、そういうものはどこへ消えてしまったんだろうか気になる。