ライフ・イズ・ミラクル

監督:エミール・クストリッツァ(2005 仏・セルビア=モンテネグロ
出演:スラブコ・スティマチ、ナターシャ・ソラック他
内容:捕虜になった息子と交換するべき捕虜を愛してしまった。
ユーゴスラビアは「7つの隣国、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字により構成される1つの国」と言われるだけあってその情勢は一口には言えず、またその中の一つの共和国であるボスニア・ヘルツェゴビナにしてもまた金太郎飴の如く似たような状況である。
物語の本筋は鉄道管理人のルカが、サッカー選手になりかけた息子が兵役にとられ、さらにボスニア紛争が始まって息子が敵の捕虜となり、妻は怪しいハンガリー人と駆け落ちしてしまう中で、捕虜の交換要因として捕まえてきた娘と恋に落ちてしまうというものだが、これに絡んでくる伏線と脇役たちが一一強烈な存在感でかつ楽しく、一概にルカ一人が主人公とは言い切れないところがある。
そういったこともあって登場人物たちは常に過酷な現実に臨んでも強烈な個性でもって図太くパワフルに生きている。クストリッツァの映画によく出てくるブラスバンドが奏でる音楽も同じように悲しげかつ騒騒しいのも、その辺に由来しているような気がしてならない。

ライフ・イズ・ミラクル [DVD]

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  • スラブコ・スティマチ
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