リトル・ヴォイス

監督・脚本:マーク・ハーモン (1998 英)
出演:ジェーン・ホロックス、ジェイン・ホロックス、ユアン・マクレガーマイケル・ケイン
内容:父亡き後引きこもっていた女の子には歌の才能があったという。
父亡き後引きこもっていた女の子には歌の才能があったというファンタジー。ファンタジーゆえに場所や時代はあやふやで、電話を引くという最初の場面からもっと古い時代が舞台かと思ってしまった。もっとも主人公リトル・ヴォイス(LV)の母のリアルなイライラ加減のおかげでファンタジーさはすぐに薄れる。またせっかく肝となるLVの歌唱力は充分なものだったにもかかわらず、 LVの自立という点で話を引っ張ったせいかラストのハッピーエンドというか爽やかさが物足りなかったのは残念なところ。
もっともそうまでして伝えたかったLVの自立は、母、三流プロモーター、そしてLV自身等の本音を押し殺した上に成立していた田舎町の危うい調和の化けの皮を剥がしてしまった。ここまでくるともうファンタジーとは呼べず、元元がファンタジーの皮を冠った人間ドラマなのかも、と思える。
キャラクターでは母の友人が最高に良かった。あとマイケル・ケインが好演した三流プロモーターの破滅の絶唱は必聴。