ロスト・イン・トランスレーション

監督:ソフィア・コッポラ (2003 アメリカ)
出演:ビル・マーレイスカーレット・ヨハンソン
内容:普段なら話すこともないはずの二人が旅先で出会い、心を通わせる話。
「有名なだけにこれ見てねーや!」シリーズ第6弾。そろそろ終わりにしてもいいかなこのキャンペーン。
この作品の舞台がたとえば上海なら映画の雰囲気も話の筋も気持ちよく受け入れられることと思うが、舞台は日本、しかも慣れ親しんだ東京とあって素直に見ることは出来ない。まず通訳からしてひどい。自分は通訳ではないが自分の方がまだマシだ!と思った日本人は少なからずいるだろう。また作品の中で描かれる東京は背景に流れる景色以外はほとんど別の街か、もしくは東京の中でも普通でないごく一部。ビル・マーレイを乗せたタクシーが新宿の大ガードを通ったことを思うとなんとなく笑えるが、全体に主人公の二人は新宿とか渋谷とかばかりで遊んでいたので、東京の人としてはもっと他に良いとこがあるからそっちに行けよ、と思ってしまう。具体的にどことは言えないが。ハイアットパークから高速で成田に向かう道順までも気になった。そこは通らねえだろ、とか思ってしまう。総じて見れば悪い作品ではないとは思うのだが、東京の人以外でないと素直にこの作品の良さを楽しめないように思う。

ただこの作品では主人公たちが孤独を感じる場所として、舞台である東京からややネガティブな印象を与えるようにしているのだと思うが、全ての映画には舞台があり当然ながらそこに住んでる人もいるわけで、例えばニューヨークのように始終舞台になるような場所でも似たようなことを思う人はいるのだろうかとか思ったりした。

作品中で使われた音楽でなにか聴いたことあるような曲で、マイブラだかジザメリだかどっちだろ?てのがあったのだが、サントラを調べたらケヴィン・シールズジザメリも入っていたので結局どちらの曲なのかはわからない。