寺内貫太郎一家

向田邦子の長編小説。
昭和50年はじめ頃の頑固親父のいる一家のお話。私が郷愁を感じる年代で、勝手に懐かしがりながら読んだ。
とはいえ、もちろん正確には私が生まれた頃なので懐かしがれるほどの記憶はない。しかもおそらくはこの頃すでに頑固親父に代表される昭和の気配は薄れていたと思われる。そうでなければ小説に取り上げないだろう。
ただそういった昭和の残り滓のようなものがまだ私と同年代の子供時代に残っていたのもまた事実で、何かと損することが多い世代と言われながらもその点では幸せなのではないかというこころもちでいる。

寺内貫太郎一家 (新潮文庫)

寺内貫太郎一家 (新潮文庫)