沼正三の長編SF。
婚約した日本人男性とドイツ人女性のカップルがタイムマシンに遭遇して未来に連れて行かれ、そこは有色人種差別の徹底した世界だった、という話。
すごくあやしい本、というだけの予備知識で読んだが、確かにあやしいというか、ひどい話。ただSFにはディストピア/ユートピア小説というジャンルもあることだし、となんとなく読んでしまった。驚くのはその発想よりもスミまで徹底した設定で、膨大な量の説明はどことなく男塾の民明書房を思わせるものがある。
また日本に到着してからの話も十分ぶっ飛んだもので、ここまで日本を蔑む理由は何なんだろうか?ということばかりが気になっていたが、それはあとがきを読んで理解できた。こんなにすっきりしたあとがきも珍しい。
- 作者: 沼正三
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1984/05
- メディア: ?
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