列車に乗った男

監督:パトリス・ルコント(2002 仏=独=伊=ス)
出演:ジャン・ロシュフォールジョニー・アリディ
内容:中年男と老人の出会いと友情
パトリス・ルコントといえばありそうでなさそうな中高年(主に男)のファンタジーを描き続けているわけだが、この作品もまたお互いの人生を変えたいと思った男たちの物語。社会からはじき出されたような中年男は亡き母に育てられたままに余生を過す老人の生活に憧れを抱き、その老人は中年男のきわどい生き方に憧れる。前半はお互いに警戒心を抱いているせいか画面に緊張感が漂っていたが、物語が進むに連れて互いに打ち解け歩みよりはじめ雰囲気が温かくなっていく様子が良かった。
ルコント作品は久しぶりだったのでクライマックスの場面にドキリとさせられたがその後の展開でニヤリというかほっとした。大きく言えば運命の前で二人の互いに抱いた憧れは小さな抵抗に過ぎないが、運命に従うばかりではない人間の存在がそこにある。てかやはりルコントは中高年に優しい。