ウディ・アレンの影と霧

監督・出演:ウディ・アレン (1992 米)
出演:ミア・ファロージョン・マルコビッチジョン・タトゥーロキャシー・ベイツジョディ・フォスター、リリー・トムリン、マドンナ他
内容:夜霧の街に現れた連続殺人鬼

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 改めて見てみたところ、ちょっと不条理というか良い意味でナンセンスな気がするのでたまにはあらすじを述べてみる。
 連続殺人の被害者がまた出たということで、主人公(ウディ・アレン)は深夜に友人たちに叩き起こされて自警団を手伝わされることになるが、外へ出てみると誰もいないので自警団での自分の役割を知るべく知人である医者の家に立ち寄る。
 一方、街に来ていたサーカス団の女(ミア・ファロー)が芸術を究めるといいつつ浮気に精を出す連れ合いの道化師(ジョン・マルコビッチ)と喧嘩してサーカスを飛び出し、たまたま娼家に転がり込むが成り行きで大金を持った学生(ジョン・キューザック)の相手をしてしまう。
 その頃主人公は容疑者にされた友人の弁護をしに警察署を訪れ、そこでさっきまで一緒にいた医者が被害者になったことを知り、医者の家で自分が使ったグラスが連続殺人鬼の証拠品とされていたので隙を見て懐に忍ばせて外に出たところで娼家から連行されて来たサーカス女と会う。主人公はサーカス女の身の危険を案じて付き添い、道すがらお互いの身の上を話していると女は体を売って得たお金を教会に寄付したいと言い出し、主人公にかわりに寄付させるが、主人公が女の元に戻ると赤ん坊を抱いて行き倒れかけた女がいたので寄付したお金の半分を取り戻して与える。
 その頃サーカス女の連れ合いである道化師は彼女を探しつつ一軒の飲み屋へ入り、そこで彼女が相手をした学生と出会い、その事実を知ってしまう。
 また一方ではそんなこんなで主人公とサーカス女は打ち解けていったが、途中で別の自警団と出くわし自分たちの自警団に入るように強制され、さらに他の自警団も集まってきてそれぞれの自警団から入らないと殺すと脅されるがそれでも中立を保っていると怪しい占い師に懐に入れていたワイングラスを見つけられ、それが警察署にあるべき証拠品であるということもばれて犯人扱いされ、群集に追い回される。
 主人公とはぐれてしまったサーカス女は道化師に見つかり、また揉めていたところでさっきの行き倒れ女が本当に死んでいるのを見つけ、生きている赤ん坊を見つけて自分たちで育てることを決意してサーカスに戻る。戻った先で殺人鬼に襲われかけるが、間一髪のところで追い回されていた主人公が助けに来る。助けに来た主人公はそのまま殺人鬼を追われながらサーカス小屋へ行き、そこで憧れの手品師と出会う。そして手品師は手品を使って殺人鬼を捕まえてしまう。そして殺人鬼を捕まえたことを騒ぎをきいて集まってきたサーカスの他の連中に伝えるが、一瞬で殺人鬼は消えていた。何がなんだかわからないが殺人鬼がいなくなったから一段落ついたところで手品師は主人公にサーカスに入って助手をやらないかと誘い、主人公は迷った挙句助手を務めることにするのだった。終り。
 なにやら様様な暗喩がありそうな話ではあるが、主人公・サーカス女等の登場人物と自警団等一般大衆との温度差、赤ん坊を抱くなり態度が豹変する道化師等、ナンセンスというかアンバランスな部分が目立つ。全体には塞翁が馬としか思えないのが正直なところ。それはそれで面白いからいいけど。
 ついでに言えば確か主人公の役回りが囮であることがはっきりする場面があったように思うが、今回見たのはテレビ録画だったのでカットされてる部分があったのかもしれない。モノクロの陰影で映し出される殺人鬼の影が印象的な作品。